ぱらりーそーしー日記

タイトルに特に意味はありません。子どもの造語がかわいかったので、タイトルに使いました。本、子育て、映画、旅行等。たまにしか投稿しませんが…

「DUNE 砂の惑星 Part2」を観た その3

(承前)

paraly-sorcy-diary.hatenablog.com

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また、ポールがなぜ南へ行きたがらないかとか、宗教性を帯びることを避けようとするかとか、どのくらい伝わったのかな。
繰り返し「なぜ」を説明する幻視シーンは出て来たし、スティルガーの宗教的に恍惚な表情とか、レディ・ジェシカのやったこととかでわかるのかもしれないけど。(Part2のポスターはポールではなくてジェシカが中心にいる)

Part2から登場する人物に書くのを忘れていたアリアも、わかりにくいかもしれない。「なんで胎児がしゃべってるの?」とか。まあ、これも胎内で青い波(命の水)にさらされるシーンがあったから大丈夫か。
(後で起こることを考えると、一瞬だけ出て来る大きくなったアリア役の俳優さんは、いい人を見つけて来たなあと感じた。)

というような点があって、原作を読まずにこの映画を観た人の感想が知りたい。
丁寧に説明してあると思ったけど、いわゆるハリウッド映画みたいにわかりやすく、わかりやすくは説明してないと思うので。

 

原作ファンが映画を観てガッカリするってことがあるけど、この作品は原作ファンの方が楽しめたかもしれない。原作を読んでない人は「なんや、結構地味やな」とか「一回観だけでは、ようわからんかったな」とか思ったんじゃないかと。

さて、ポールがなぜ南へ行ってフレメンを率いるのをためらったか、ポールは命の水を飲んでどんな未来を見たのか、そしてポールの悲劇性は作品の真髄の一つだと思うので、ぜひPart3を作って欲しい。

と思っていたら、制作決定のニュースが入って来た。

news.yahoo.co.jp

 

「このPart2が興行的に成功すれば、間違いなくPart3があるな、これは」というラストだったので、元々作るつもりだったんだろうけど、資金面もクリアしてそれが実現ということになり、とても嬉しい。「砂の惑星」は十分に非凡だけど、それをさらに高みに押し上げているのが「砂漠の救世主」だと思うので。

 

3回に渡って書き散らして来た「DUNE 砂の惑星 Part2」の感想は以上で終わりです。お付き合いいただき、ありがとうございました。

「DUNE 砂の惑星 Part2」を観た その2

1ヶ月だけProにしてみました。いつも無料で使わせてもらっているので、たまにはと。広告も入っているから、そんなこと気にしなくていいんでしょうけど。

さて、今回も興奮冷めやらぬままに、DUNEについて書き散らしています。

(承前)

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出て来る宇宙船や建物のデザインもよかった。ハルコンネン家の惑星ギエティ・プライムの建物や、花火の気持ち悪さとか。「花火が気持ち悪いってどういう意味よ?」と思われるでしょうが、とにかく気持ち悪いんですよ。

皇帝の乗る船が惑星に降りた時のベースになる建物や随行する艦船のデザインは、最初はリンチ版の影響があるのかと思ったけど、原作の表現(もう覚えてないけど)がそうだったからリンチ版もヴィルヌーヴ版も共通性を感じる形になったということなんだろうな。

デューン (字幕版)

デューン (字幕版)

  • カイル・マクマクラン
Amazon

 

音のデザインというのか、Part1で出て来たサルダウカーの言語も印象的だった。

また、ハンス・ジマーの音楽も印象的。中東だか北アフリカだかの民俗音楽(と私が想像するもの)っぽい音楽だった。
音楽は映像を強化してくれる。無音ではつまらない映像でも、音楽がつくと劇的に感じられたり。音楽は体の反応を引き起こすこともあるから(音楽にのって体を動かしたくなるとか鳥肌が立つとか)だろうか。この映画では映像と音楽のどちらかが主ということではなく、いい相乗効果になっていたと思う。

 

原作を読んでない人がこの映画を観てどう思ったのか、知りたいところはある。例えばレディ・フェンリングがフェイド・ラウサを誘惑するけど、あれにはどういう意味があったのかとか。

あの世界の前史として、機械(AI?)と人間の戦争があり、人間が勝ったものの、その後人間はコンピューターを使わなくなった。それでどうしたかというと、人間の生体の能力を高める方向へ行った。例えばPart1で出て来たスフィル・ハワトは人間計算機だ。脳にコンピューターを埋め込んだりはしていない。
ベネ・ゲセリット(修道女みたいな人達)は、人間の交配をコントロールすることで超人間を作ろうとしている。

レディ・フェンリングがフェイド・ラウサを誘惑したのは、フェイドの遺伝子を得るため。ジェシカがアトレイデス公爵(ポールの父)に嫁いだのもベネ・ゲセリットの交配計画のためだ。
コンピューターを使わずに、かといって遺伝子操作もせずに改良しようとするとそうなるわけだけど、まあ、気持ち悪い人達ではある。

(つづく)

DUNE 砂の惑星 Part2を観た その1

初めてIMAXシアターに行った。

迫力ある映像と音響だったけど、IMAXがすごいのかどうかは、よくわからない。いや、やっぱり普通の映画館よりすごかったような気もして来た。同じ作品をIMAXじゃない映画館で見てみるといいんだろうけどな。

IMAXについては、こんな解説もあった。

av.watch.impress.co.jp

 

画面の縦幅が広く、音も全周から聴こえて来るようだから、没入感が得られるのかもしれないな。大きな音が迫力あるのは当然として、小さな音もクリアに聞かせるのは、臨場感があっていいかもしれない。(そうすると、今度はDolby Atmosとの違いが素人にはよくわからん…)

と最初からネガティブにも取れることを書いてしまったけど、映画には(音響等も含めて)満足した。「デューン 砂の惑星PART2」だ。

wwws.warnerbros.co.jp

好きな作品が映画化されると、期待はするけど、同時に怖くもある。ガッカリさせられるんじゃないかと。
指輪物語」はどうだっただろうか? 「ロード・オブ・ザ・リング」は期待以上だった。
「DUNE Part1」は? これも期待以上だった。Part2は安心して見に行ける。

余談になるけど、再映画化の話がある「はてしない物語」も、ぜひそうであって欲しい。
ちなみに、原作ファンに酷評された「ネバー・エンディング・ストーリー」は私は大好きだ。
(←どないやねん)

moviewalker.jp

 

さて、「DUNE Part2」に話を戻して…
丁寧に映画化されていると思ったし、砂漠の映像の美しさ、俳優のよさ、様々なデザイン、音楽…と、とてもよかった。


俳優については、Part2で初めて出て来る主要人物は4人かな。

(追記:かなりの重要人物アリアを忘れていた!)

 

ルーランならヴァージニア・マドセン(かなりかわいい)、フェイド・ラウサならスティングとリンチ版の印象は強いけど、ヴィルヌーヴ版の俳優もよかった。

ルーラン(皇帝シャッダム4世の娘)はベネ・ゲセリットの訓練を受けた聡明さと、老いた皇帝を補佐する強さ、立場に縛られた悲しさなどが出ていた。
「かわいいけど、何のために出て来た、この人?」感のあったリンチ版イルーランとは違う、新しいイルーラン像を見せてくれた。

(上映時間の制限からカットにカットを重ねてわけわからんくなったらしい、リンチ版は。リンチ本人にとっても黒歴史らしいけど、私はリンチ版もかなり好き。ギルド航宙士をはじめとしたあのデザインにはびっくりした。)

より残忍で狂った感のあるフェイド・ラウサ(主人公ポール含むアトレイデス家の仇敵であるハルコンネン男爵の甥)もよかったな。オースティン・バトラーは「マスター・オブ・ザ・エアー」(なんで「ジ」じゃない?)で初めて見たけど、あのただでさえ何か得体の知れない感じがフェイド・ラウサにぴったりだった。

クリストファー・ウォーケンの皇帝もおもしろかった。ずる賢く、不気味な皇帝ではなく、かつてそうであったが今は老いた皇帝という感じ。支配者の凄みを見せるシーンもありはする。

この皇帝の演出は既に重要なプレイヤーはベネ・ゲセリット等であり、皇帝を含む貴族達ではないということを示唆してもいるのかな。

Part1で不気味な怖さ・異常な強さを見せたサルダウカー(皇家の強力な兵士)は、Part2ではあまり目立たず、ちょっと残念だった。

(つづく)

クラシック音楽、聴きはじめ ー 中学校編

前回(以下)は小学校時代の話でしたが、今回は中学校編です。

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中学校の音楽の授業でも鑑賞はあり、それなりに楽しんでいたのですが、シューベルト「魔王」くらいしか印象に残っていません。

この曲は一人の歌手が子ども、父親、魔王を歌い分けるのですが、その巧みさに魅了された覚えがあります。

小学校では好きだったのに、なんで中学校の音楽授業での鑑賞が印象に残っていないのか。それは聴くだけの人から、吹奏楽部に入り演奏もする人になったのも一因かもしれません。

吹奏楽部に入ってからは、「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」シリーズなどを通じて、今までに聴いたことのなかったいろんな曲に出会いました。曲との出会いの場が、家庭や音楽の授業からクラブに移行したという感じです。

その中で一曲を挙げるとすれば、レナード・バーンスタインのウエスト・サイド・ストーリーでしょう。上記のアルバムには入っていませんが。(私の持っているCDは古過ぎるのか、検索してもパッと出て来ない…)


中でも「アメリカ」にはすっかりやられました。まず6/8拍子なんていうのを初めて知りましたし、6/8拍子と3/4拍子が混じった拍子(ンタタ・ンタタ・ンタ・ンタ・ンタ)が最高にいきいきとして感じられて。

その後、大人になってからも、「ウエスト・サイド・ストーリー」はいろんな版で愛聴することになるのでした。

2024年2月に読んだ本から

2月はずっとバタバタしていたような感じで、本もあまり読めませんでした。

本への愛と読書家あるあるに満ち(←裏表紙に書いてあることそのままやん)、笑いもたくさん、そしてまた青春ものでもあるこのシリーズの第7巻。紹介されている作品はSFが多いです。どの巻も外れなしで、またそれゆえに私の積ん読を増やしてもくれるのでした。

4コマ漫画で笑える作品なんですが、ちゃんとSFでもあると思います。後書きを読むと作者は続けたかったみたいですが、この2巻で完結。でも、うまく着地させたなあと(素人の私がプロをつかまえて言うのもなんですが)感心しました。