ぱらりーそーしー日記

タイトルに特に意味はありません。子どもの造語がかわいかったので、タイトルに使いました。本、子育て、映画、旅行等。たまにしか投稿しませんが…

デリゾールからアレッポへ

ビザの期限がやってきた。

朝早く起き、ホテルに荷物を預けて、イミグレーションに向かう。地図を見ながら20分ほど歩いたが、それらしい建物は見当たらない。またしても「歩き方」に騙されたのか、私が地図を読めていないのか…
しょうがないので交差点にいた警察官とタクシーの運転手に道を聞く。どうやら地図よりも一筋南の通りを行かないといけなかったようだ。

タクシーに乗ってイミグレーションに向かう。地方だけあってメーターなしタクシーだが、案の定、不当に高い金額を要求された。「高いぞ」と抗議してまけさせたが、おそらく、いや確実にもっと安かったはずだ。

08:00に開くと思っていたイミグレーションは、09:00になってようやく開いた。
中に通されたはいいが、担当者がなかなか来ず、さらに30分弱は待たされた。
やっと担当者が現れ、写真2枚、25シリアポンド、用紙2枚(フランス語…)を提出して少し待つと、別室に担当者とともに呼ばれ、若く偉そうな役人に偉そうに質問された後、もとの部屋に戻って、新たに印を押されたパスポートを返してもらった。

宿で荷物を受け取り、バス・ターミナルへ重い荷物を背負って向かった。
一通りバス会社のオフィスをあたってみるが、どの会社も14:00台だ。3時間は待たねばならない。待つのもイヤだし、おまけにこの調子ではアレッポに着いたらもう夜だ。バスがどこに着くかわからないし、宿(ザヘル・アル・ラビ)がもう埋まってる可能性もある。
予定が狂ってしまった。大した予定もなく、予定が狂うのも楽しむのがバックパッカーってもんだろうが、快適なイスタンブルを目の前にしての些細なつまずきに、少しイラついてしまった。

時間つぶしに、スークでパンでも買ってユーフラテス川岸でこっそり食べようかなどと考え(ラマダン中なのでマクハで暇つぶしできない)、街の中心に向かったが、途中で歩き疲れ、パンは買ったがそこで引き返し、バス・ターミナルの裏手の丘でこっそり食べた。

やっと14:30が来て、バスが出発。今回も砂漠を突っ走る。茶色い大地、土で作られた家、美しい夕日、今日も最高の景観を見せてくれて、シリアを去り難くなる。

デリゾールからアレッポまで、バスで4時間30分くらいだっただろうか。途中、16:30(食事解禁)を迎えると、バスの中は急に動き出す。
タバコを吸い出したり、ナツメヤシを取り出して食べ、それをみんなに回したり、うれしそうに大騒ぎだ。知らない人にもどんどん勧めるのがいい。

ほどなくバスが止まって、本格的なお食事タイム。
バスの中に残っていると、シリア人の兄ちゃんが手招きして「食わないのか」と聞いて来る。「シャイでも飲もう」と誘われて一緒にレストランに入り、そのままご馳走になってしまった。

さてさて、バスは期待に反して、最初にアレッポに来たときのターミナルとは違うとこに着き、暗い中、同じバスに乗っていたヨーロッパ人のカップルと宿探しをした。
バス・ターミナルにいたおじさんにジェスチャーで時計塔の場所を聞き歩くと、途中で見覚えある風景に出くわし、彼らをホテルまで案内した。
彼らはツーリスト・ホテルに行ったが、こちらは少し安いザヘル・アル・ラビにした。ベッドがあるかすごく不安だったが、幸いにしてベッドにありつくことができた。この前も泊まって顔を覚えられてたってのもよかったのか、125シリアポンドで泊まれた。やれやれホッとした。でも今日はシャリフの姿は見えない。

いよいよイスタンブルが近づく。でも帰りたくないなぁ。

 

1999年1月のある日