ぱらりーそーしー日記

タイトルに特に意味はありません。子どもの造語がかわいかったので、タイトルに使いました。本、子育て、映画、旅行等。たまにしか投稿しませんが…

トルコへの道

なんだか、全くもって現実感にに欠けている。出発3日前の時点で荷造りもしていなかったし、前日になっても、明日、自分がトルコまで行くような気がしていなかったけど、当日もまた然り。

京都駅からJRの特急「はるか」に乗って関西国際空港へ向かう。1996年に中国に行った時は「はるか」に乗って、幾分かリッチな気分で関空へ向かったけど、今回は前日深夜まで「スタートレック」を観ていたりしたため、目覚めるともうレンゾ・ピアノのなめらかなカーヴ(関空ターミナルビルの屋根)がもう見えていた。

一人旅で困ること、その一。時間をつぶすこと。
12:00過ぎにシンガポール航空の便で、関空からシンガポールチャンギ空港へ向かう。このB747-400は、翼端が上に曲がっている新鋭機(だと思う)だ。エコノミーだけど、座席の一つ一つに小型ディスプレイがついていて、自分の好みの映画、ゲームを選ぶことができた。スチュワーデスさん(当時はそう言ってた)は愛想がよく、民族風のユニフォームも素敵だ。
そうこうするうち、チャンギ空港に17:15頃に到着。6時間のフライトだけど、時差のため17:15に着いた。

着いたのはいいのだけど、格安チケットの悲しさ、次の飛行機まで8時間の待ち時間がある。そこで、荷物を預け、暇つぶしに市内循環バス(AIR BUS)に乗って市内に出てみることにした。

チャンギ空港のターミナルを一歩出た途端、外国に来たことを実感する。「におい」が違う。料理に使う香草の匂いだろうか、中国に行った時の匂いと似ている。
日本にいる時は全く感じないけど(外国人は「醤油のにおいがする」とか感じているかもしれない)、外国へ来るとまずこの匂いによって、違う国へ来たことを実感させられるような気がする。

シンガポールは緑の多い街だった。空港ではエスカレーターがある場所には大抵カスケード(と言うんだったかな)があって、植物が「繁って」いる。また街へ通じる道路でも、中央分離帯、道路の両側と、とてもたくさんの木が植わっている。

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チャンギ国際空港

日本と比べてどれぐらいの大きさの国なのか知らないけど、かなりのスペースが緑に割かれていた。そして何カ所かではさらに植栽もしていた。その並木(と言うよりちょっとした林)の間に沈む夕日が美しかったし、日本で見る夕日と違ってあまり切なくはなかった。

シンガポールの街自体については、それほど言うことはない。数時間いただけだし、ほとんど何も言えない。
何人かのバックパッカーが書いていたように「退屈な町」とまでは思わないけど、ISETANがあったり、SEIYUがあったり、雰囲気は違うけど、中身は一緒と言えば一緒だ、日本と。
バスを降りて少し歩いてみたのだけど、交差点で日本人の母と娘らしき人を見かけた。娘が街の写真を撮り、二人とも幸せそうだった。見ず知らずの人たちだけど、この先もそうあってほしい。

空港へ戻って、まず発券を行った。格安だからってそれは問題ないだろうけど、初めての海外一人旅なのもあって、ちょっと焦って空港へ戻った。
パスポート等のチェックを済ますまでは時間を持て余したけど、中に入ると店やゲームセンター、インターネット・カフェまであり、不自由はしなさそうだった。庭園もある。これではアジアのハブ空港の座は持って行かれそうだ。

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チャンギ国際空港

やっと01:05が来て、飛行機が出る。幸いにも乗客が少なかったので、3人分のシートを使って横になって寝ることができた。と言っても、それは深夜2時に機内食を食べてからの話なのだけど(最も適切な間隔で食事が出された結果ではあるが…)。横になって寝れたのが幸せだ。

シンガポールを出て6時間ほどでドバイに到着した。現地時間では04:30くらいだったか、何せ暗かった。

ドバイの街は、上空から見ると、見事に区画整理されている。大きめの道がほぼ正方形をつくり、それがいくつも連なっている感じだ。また、空港内では(当たり前だけど)アラビア文字が現れる。字にも個人差があるだろうに、あれを読める(まともに使えてる)とは不思議だ。

ボディ・チェックを受けるところでは、髭をはやし,ベレーを被った軍人に見えちゃう係員が待っていた。
何度もアラームが鳴り、ポケットのものを全て出さされた。係員はその中の穴の空いたコイン(50円玉)に興味を持ったらしく、”What is this?”とか言いながら手にしていた。あれはそのまま盗られた可能性大だ。

1時間30分をドバイの空港で過ごし、06:05にやっと離陸する。飛行機の高度が上がると水平線が広がっているのが見え、それは赤く白み始めていた。飛行機の後ろから月が照っており、太陽から逃げるように西へ向かっているのが実感できた。

 

1998年11月のある日