ぱらりーそーしー日記

タイトルに特に意味はありません。子どもの造語がかわいかったので、タイトルに使いました。本、子育て、映画、旅行等。たまにしか投稿しませんが…

イスタンブール到着 その1

 出発前2日ほどは、結構さびしかったな。恐らく、みんなは毎年そうしているように、今年も鍋をみんなでつつき、酒を飲み、スキーに行くのだろう。今年はそういうことはできない。人があまりしていない経験をしに行くのに、我ながら何より言ってんだとは思うけど。

 ついにイスタンブールのアタテュルク空港に着く。

地球の歩き方」に従い、Havaşのバスでアクサライに向かう。80万トルコ・リラ(以下TL)だった。

 トルコではインフレが進んでいるらしく、一事が万事こんな調子で、ちょっと食事をしても100万TLにもなる。日本円では500円なのだが。
 こんな調子だから、数字を英語あるいはトルコ語で言われても、どんなもんかわからない。
 さらにやっかいなことに、0を省略して言われることがある。例えば10万TLは英語で言えばone hundred thousandなのだろうけど、これはone hundredになる。もう面倒だから、100,000の0を3つ省略して、thousandは言わずに済ますということなのだろうか。

 Havaşのバスの中でおとなしくしていると、隣に座った男が話しかけてくる。うまい英語だ。おまけに京都に友人がいる(実際に名刺を見せてくれた)、24歳だと言う。「本当かな?」と思いながらそれなりに楽しくしゃべっているうちに、アクサライに着いた。

 この男(以下、F)は自分も同じ方向だと言い、トラムの駅まで案内してくれ、チケットの購入なんかも教えてくれた。悪い奴じゃなさそうだが親切過ぎると思っていたら、案の定、彼の働く旅行代理店へ連れて行かれた。

 「どうせそんなこったろう」とは思ってたものの、やはりテンションが下がるなあ。空港の出口でああして待ってるのは、商売熱心で感心と言えば感心だけど。
 だいたい今朝トルコへ着いたばかりの人間に、カッパドキアに行くツアーがどうとか言われたって、そんなもの決めてないよ。

 そうこうしているうちに、日本人のおばちゃんが現れた。3年ほどトルコに住んでいるという。まあ、そんなに怪しげな人物でもなさそうだったので、ツアーは一切断り、とりあえず向こうの勧める宿(1泊18$)に2泊だけ泊まることにした。

 代理店を出ると、Fがホテルまで案内してくれる。途中で、13:00に市内案内のためにホテルへ迎えに来ると言う。金はいらないらしい。一人でブラブラしたいので理由をつけて断ると、また押し切られてしまった。ヤレヤレだ。職業上、客になりそうな人間を逃すわけにはいかないからしょうがないのだろうが、「小さな親切(仕事だから親切でもないか)、大きなお世話」だな。

 ホテルはシャワーつき、トイレ共同だった。トルコ式トイレはさほど不快ではない。

 13:00になってホテルの前で待っていたが、Fは来ないので、これ幸いとばかりに一人で散歩に出た。
 あてもなくブラブラしていると、グラン・バザールに出たり、そのまま歩いていると知らぬ間にベヤズット・ジャミイやらイスタンブール大学に出たりした。

 

1998年11月のある日