ぱらりーそーしー日記

タイトルに特に意味はありません。子どもの造語がかわいかったので、タイトルに使いました。本、子育て、映画、旅行等。たまにしか投稿しませんが…

イスタンブルを発つ

07:30頃にはムーン・ライト・ペンションのRoom103の面々は起き出した。スウェーデン人Cさんはアテネへ、日本人Mさんはブルサへ向かい、残されたHさんはさびしがっている。身仕度を整えるとまず最後のエクメック(パン)を買いに行き、2人を見送って、食事の後、ブルー・モスクに向かった。

ブルーモスク

のはいいけれど、ラマダン中は09:00からとかで、結局、中を再び見ることはかなわなかった。帰って残りの荷物を整理しトイレから出て来ると、宿の主人が“Hurry up!"という。09:30に来るはずのバスが09:15にもなってないのに来てしまった。慌ててHさんにあいさつをして、駆け足で出る。

バスには隣室にいた日本人旅行者がいて、彼と話しながら空港へ向かった。時にはぼられたり、だまされたりもしたけど、去るとなると惜しいものだ。惜しいと言えば中東にゆっくり時間を割けなかったのも残念だった。

空港につき、チェック・イン・カウンターへ行くと、自分がトルコを出ようとしていることが実感できる。カウンターの女性スタッフが笑顔でとても丁寧に英語で対応してくれるのだ。もうすっかり慣れた無愛想な店員から、とても丁寧な笑顔のスタッフへ。いいことなんだけど、ちょっと戸惑う。飛行機に乗ってからはなおさらだ。とてもきれいな機内(ボーイング777だ)、気持ちのいいサービス。エコノミーにもかかわらず、すっかりリッチな気分で過ごせた。

機中から見た砂漠

飛行機の中でも、思ったほどは旅を終えねばならないことに対するさびしさを覚えたりはしなかった。日本でもヨーロッパ並みに休暇が取れるようにならないと、もう2度と月単位で旅に出ることはできないだろう。だけど、これで死ぬわけではない。この飛行機が落ちでもすりゃ別だけど。平均寿命まで生きられるならあと50年はある。1週間でも10日でも休みの取れた時に出て来たい。その期間では国レベルは無理だけど、都市は見れる。

夜中、なかなか寝つけず、ふと窓の外を見ると、そこには宇宙が広がっていた。
高度1万m以上で飛ぶ飛行機、まわりに他に光源はなし。星座がわからないほどの数多くの星、天の河、銀河のように星の密度が濃いところもある。
宇宙を航行する気分だった。

 

1999年1月のある日