昼からは、まずアサド橋に写真を撮りに行った。
街の北にカシオン山という山がある。乾ききっている茶色の山肌に住宅等がへばりついている。木の全く生えていない山はなかなかよい。
この山はただの山ではない。人類が最初に殺人を犯した山でもある。もっとも、聖書での話だけど。聖書に出て来る、あのカインとアベルの事件現場だ。
山頂に軍事基地があるらしいので、写真を撮るのも少しためらう。
それからヒジャーズ駅に向かった。この駅は現在では使われていない。古いヨーロッパ風の外観(アサド大統領の肖像はもちろんかかってるが)で、内装もかわいい。
裏手に回ると古い貨車が並び、マクハ(カフェ)にもなっている。
それからもう一度ウマイヤド・モスクに向かった。
今日は金曜日だからか、人が多い。中で説教を聞いたり、讃美歌みたいなのをみんなで歌ってるのを聴いたりしながら、1時間ほどボーッと過ごした。
宿に戻って来ると、部屋に新しい人の荷物が入っている。どうも見たことあるようなチャリダー用バッグだ。もしやと思って中庭に出てみると、見覚えのある古めかしいチャリがある。ほぼ間違いなくTさんだ。カッパドキアで一緒だった。
しばらくロビーにいると、やはり彼が帰って来た。カッパドキアで別れる時、私はギリシャに行くと言ってたから、えらく驚かれた。再会を驚き、喜びつつ一緒にチキンを食べに出て、夜はワインを買って帰って、新年を祝し乾杯した。1ヶ月ぶり、全く違う場所での思いもかけぬ再会、うれしいものだ。
1999年の元日