09:00頃に起き出して、食事をいつものように済ませた後、天気が少しよくなってきたので、11:30頃にアクロポリスへ行くため外に出た。
まずフィルムを買いに行く。近くに写真屋(KODAK)があったので、そこで「FUJIはないか」と片言のトルコ語で尋ねてみる。KODAKの店で「FUJIはないか」もないもんだけど、FUJIも置いていた。でも、ISO400のフィルムはない。しょうがないのでKODAKの36枚撮りにすると、釣りがなかったのか、店のおやじさんは1750Binのとこを1500Binにまけてくれた。
アクロポリスの方へ歩いていくと、右手にクズル・アウルがある。昔はエジプトの神をまつったり、キリスト教の聖堂だったりしたらしいけど、今はすっかり廃墟となっている。赤レンガづくりで宮崎駿の絵を連想させる。
やがて道は左に折れてアクロポリスへ向かうのだけど、アンカラで会った北大生から聞いた近道を探すのに苦労した。「地球の歩き方」の地図と彼の地図が食い違っていたりして。ウロウロと歩きまわった末、少し戻って民家の間を入っていく道に目星をつけ、車道にぶつかった後、その道を少し登っていくと彼の言っていたゲートがあった。
そのゲート付近で小さな女の子に「ボンボン、Money」とたかられた。道を知りたいのもあって持っていたクッキーをあげてしまったが、後味がよくなかった。
岩につけられた青い印を追って遺跡の間をぬうように登っていく。たちまち呼吸が乱れてくる。ところどころにある遺跡によって写真を撮ったり、青い印を探したりしながら、約一時間半ほどかかってアクロポリスへたどり着いた。
まず何といっても最初に、頂上あたりに白く浮き立つトラヤヌス神殿が目をひく。神殿で残ってるのはごく一部だが、白い神殿がちょうど真上近くに上がった太陽に照らされている様は絵になる。背景では強い風に雲が流され、周囲の遺跡とあいまって、さながらラピュタの世界だ。
(つづく)
1998年12月のある日