今日も一人だし、近くに特に見たいとこもないので、ヒマつぶしに困りそうだ。昼食を済ませ、買物をし、お金をおろしてから一度宿へ戻り、荷物を置いてしばらくトルコの地図を見ながら今後のルートを考える。
それからのんびりフェリーのオフィスへ向かった。金額は1520万TL。これは高いけど、往復だし、ボートタックス込みだから仕方ない。困ったのは、最初来たときのおじさんスタッフと今目の前にいる若いスタッフとで、彼らが言う出航時刻が違うことだ。そこで、どうせヒマだし、場所も確認しておきたいので、フェリー発着場へ行ってみることした。
道沿いには多くのヨットが並んでいる。みながみなトルコ人の所有というわけでもないようだ。ヨーロッパの人と思われる人達が結構いる。外洋航行可能なヨットでこまでやって来る。うらやましい話だ。ヨットは無理でも、ディンギーぐらいやってみたいな。
フェリー発着場までは結構遠く、迷った時間を差し引いても30分はかかりそうだ。来ておいてよかった。ただ発着場には時刻表も何もなく、中にいる警察官の人達も昼間からバック・ギャモンをするばかりで、出航時刻は知らなかった。婦人警官さんは多分09:00だろうと言うけど、結局、フェリー・オフィスの若いスタッフを信用するほかないようだ。
フェリー発着場戻ってしばらく砂浜で写真を撮ったり、ボケッとしたりした後、時間を見計らって日本の友達に電話してみようと出たのだけど、砂浜で変な兄ちゃんに話しかけられた。ジョン・レノン風の黒いサングラスをかけた奴で、漁師だけど革ジャンなんかも扱っていると言う。しばらくとりとめもなく、割と感じよく雑談していたけど、最後にラクを飲みに行かないかと来た。危ないなあ。ボッタクリかもしれないし、流行っているという睡眠薬強盗かもしれないし。というわけで断わったのだけど、そうすると今度は「じゃあ、自分で飲むから少し金を貸してくれないか」と来たもんだ。ラクのハーフ・ボトルも買えないほどお金がないんだろうか。
ちょうど夕暮れ時なので、日が沈むまで砂浜で何とはなしに海を見ていた。久しく日本人にも会ってないし、夕暮れ時の湾が美しければ美しい程、切なくなるな。
1998年12月のある日