2022年に読んだ本(出版された本ではありません)のうち2月読了分をご紹介します。
ブクログで本を登録しているのですが、今年は現時点で、登録188冊、読了109冊で、「赤字」でした。まあ、読みたいものがたくさんあるという幸せな赤字かもしれませんが。
作者のキム・チョヨプさんのことは、世界SF作家会議で初めて知りました。SF的なアイディアと、小さな声を優しく拾うような抒情性とが両立している素敵な本でした。
SFを書いている作家の対談など。作家が実際に書く時の話、他の作家の作品をどう見ているか等、とてもおもしろかったです。これに出て来る作品を読んでは、この本を読む…と読み進めたので、読了までかなり時間がかかり、また、積ん読も増えました。
SFが好きといいながら、石黒達昌さんのお名前は、この「日本SFの臨界点」シリーズを読むまで知りませんでした。研究報告仕立てになっている作品(作者は医師らしい)は、論文調の乾いた文体が乾いていないものを引き立たせるものでした。作家としてもいい作品を書いている編者の伴名練さんもすごいです。
第二次大戦が終わってしばらくして、アメリカの近くに巨大隕石が落ち、まだ計算尺で計算しているような時代に、早急に宇宙開発を進めて地球外にも住まないといけなくなり…という話。時代が時代なので(現代でもまだ克服されていませんが)、女性差別問題、人種差別問題もふんだんに出て来ます。といっても堅苦しいものではなく、ハリウッド映画のように、物語のおもしろさにどんどんと運ばれて行きますから、ご心配なく。
地球から遠く離れた惑星の生物を調査する役所の話です。異星の生物とのコンタクトの話はおもしろいです。といっても、生物学的にゴリゴリに詰めるハードSFではなく、コメディ・タッチでもありますよ。