他にも書きたいことはありつつも、慌ただしく日々が過ぎて行くばかり。そんなこともあって、6月は3冊しか読んでいませんでした。そのうち2冊をご紹介します。
書評家という肩書きで紹介すればいいのでしょうか、冬木糸一氏(ペンネーム)の本です。このはてなブログでブログも書いておられますね。
SFの入門書なのですが、テーマ毎に作品紹介されているので、気になるテーマの章から読まれるとよいでしょう。テーマは以下のようになっていて、各テーマにつき3作品が紹介されています。
仮想世界・メタバース
人工知能・ロボット
不死・医療
生物工学
宇宙開発
軌道エレベーター
地震・火山噴火
感染症
気候変動
戦争
宇宙災害(隕石の衝突・太陽フレア)
管理社会・未来の政治
ジェンダー
マインド・アップロード
時間
ファーストコンタクト
地球外生命・宇宙生物学
SFの範囲はだいたいカバーされていると思います。中には現代的な課題もあるでしょう。
どの作品も単にあらすじが載っているだけではなく、現実とどう関係しているのかとか、作品が生まれる背景なども書かれています。
ですので、初心者の方にも入りやすいと思いますし、「入門」とはありますがSFをたくさん読んで来た方にもいいでしょう。少なくとも、後者である私にはそうでした。
たくさん読んで来たとは言っても、SF好きの中では私なんぞはひよっこの部類で、まだ読んでない作品もたくさんありました。どれもおもしろそうなので、また「積ん読」が増えそうです。ボーナスが出たら、また早川書房さんや東京創元社さんなどに貢ぐことになりますね、間違いなく。
既にSFが好きな人は、「私だったらこれを選ぶな」とか思いながら読むのも楽しいかもしれません。
巨大隕石(隕石という言葉が適しているのかわかりませんが)の軌道が地球と交差すること(隕石が地球に当たること)がわかり、人々はその軌道を変えるべく奮闘します。果たして人類は絶滅を免れるのか。
クラークの他の作品もそうですが、ハリウッド映画的にむりやり盛り上げるのではなく、淡々とした描写なのにドラマチックであったり叙情的であったりするその語り口というのか構成というのかには、ほんとすごいと感心します。
語り口と言っても原書(英語)で読んでるわけじゃないので、私にそれがわかっているかといえば、わかってませんけどね…そう考えると、訳もいいのかもしれませんね。
ちなみに、小天体が地球にあたる話といえば、「宇宙【そら】へ」もおすすめです。
そしてさらにちなみに、小天体が地球にあたる映画といえば、「ドント・ルック・アップ」が秀逸だし、「ディープ・インパクト」もいいです。(「アルマゲドン」に言及しないのは、あまり好きじゃないから)