ぱらりーそーしー日記

タイトルに特に意味はありません。子どもの造語がかわいかったので、タイトルに使いました。本、子育て、映画、旅行等。たまにしか投稿しませんが…

キャフタの街で 02

 それから学校の先生とMと私の3人でチャイハネに行こうってことになったんだけど、その途中でアザーン(祈りの時を知らせる、アラビア語で朗唱される歌のようなもの)が響き出すと、先生は「祈りに行くから後で会おう」と言って行ってしまった。驚いたな、トルコはイスラムの国とはいえ、例えばアザーンが鳴っていても、イスタンブルではみんな気にもせず商売をし、恋人達は公園のベンチでいちゃついていたのに。

 そんな風にして先生が行ってしまった後、Mと一緒に店でザクロを買い、いつものチャイハネで(ただし今回は屋外のちっこいテーブルで)ザクロを食へつつ、チャイを飲みつつ、とりとめもなく話をした。
 隣のテーブルでは、おじさん達が昼も日中からチェスをしている。写真を撮らせてくれと頼んだけど、これはダメだった。いい絵だったけど、まあ、見知らぬ外国人にカメラを向けられていい気がしないこともあるよな。

 そうこうするうちに先生が戻って来た。この人は本当に人が良さそうで、あなた達のために祈ってきたとか言う。英語で外国人と話せるのもうれしいようだ。イスタンブルでは、英語を話すトルコ人=あやしい奴、だったけど、今はそうではない。

 先生は、16:30頃、近くの村へ帰るドルムシュの最終便が出るからと、帰って行った。
 「銀河鉄道の夜」の中に、鳥を捕まえる男の話が出て来る。彼が去った後、ジョバンニとカンパネルラは「彼の幸せのためだったら…」と思う。先生は、ほんの少しそんな気を起こさせる人だった。

 先生が去った後も散歩を続けた。どこを歩いていても子ども達が“Hello. What’s your name?”と声をかけてくる。他意はなさそうで、気軽に返事をする。

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キャフタ市街

 ここの人たち(と言っても特に子ども)はあまり日本というのをわかってないようだ。町中にいると「チン(中国)」という声を耳にする。恐らく東洋人はみな中国人なのだろう。

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キャフタ市街

 散策を終え、Mと2人でオトガルへ向かった。マルコは18:00のバス(300万TL)で、昨日ホテルで会ったトルコ人と一緒にアンカラへ向かい、こちらは明日12:00のバスでカイセリへ向かうことにした。結局、この町にも2日半だ。いつも去る時はもったいないと思う。この町もみんな人がいい。ちょっとぼられたりはしたけど。子ども達は歩いていると付きまとってきて、眼鏡をかけてあげると喜んだりする。いきなり高校生から話しかけられ、一緒に少し散歩したりもした。

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キャフタの街で会った高校生

オトガルでチケットを取ろうとしていると、少しばかり英語を話す人が助けようとしてくれる。もう1日くらいいてもよかったかな。やっぱり何日か滞在するなら田舎の町がいいな。

 明日は早起きして、うろつけるだけうろつこう。

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キャフタ

1998年11月のある日