朝、シャワーを浴びると、きっちり熱いお湯が出た。どこのホテルでもそうだけど、シャワーからお湯が出るかどうかは、宿選びの重要なポイントだ。
ガスで沸かしているところもあるけど、多くは(日本でもそういうところがあるように)屋根にタンクを置いて太陽の力で水を加熱している。加熱された水が無くなったら、そこからは冷水シャワー。
午前中は特に外出せず、洗濯に励む。たまってた洗濯物や、昨日車に泥水をはねかけられたズボンを片付けなければならない。これは一仕事だった。ビニール袋洗濯法でどのぐらい洗えているんだろうか。
そして、何をするともなくダラダラと日記を書き、パレスチナに関する本を読んで過ごした。昼頃またしてもパンを買って来て昼食をとる。昨日のイチジク・ジャムは失敗だった。その後はしばらくMさんと話して過ごした。
そして14:00頃、やっと観光に出た。このハマという街は、木造としては世界最大の水車で有名だ。
川沿いに下っていくと、川岸にはアシのような植物が生え、少し高くなった土地は畑や果樹園として利用されている。そして対岸には大きな木造の水車やモスクが。水は汚いが、なかなか風情がある。ずっと下っていくと、最後に最も大きな水車がある。(下の写真の水車がそれだったかどうかは覚えていない)
それを見終わって引き返そうとすると、警官がちょっと来いという。どうも面倒だなあと思いながらも警官を無視するわけにも行かず、そちらに行くと“ウェルカム・トゥ・ハマ”と来た。「どっから来たんだ」とかお決まりのあいさつの後で、“その時計はいくらなんだ?”
来ました…次には売ってくれか、交換しようが来るのが定番だが、案の定、“かえよう”と言って来た。でも、どうもシリアの人には、あまりしつこさはない。“いや、今後の旅行に必要だから交換できない”と言うと意外とあっさりと引き下がり、もう一度“ウェルカム・トゥ・ハマ”と言われながら、握手して別れた。
帰りは川を離れ、中世のような雰囲気のある路地を帰った。
帰ると、MさんとAさんがラマダン明けの食事の準備をしていた。チキン、豆を煮たトマトスープ、サラダ、ホブス(ピタパンのようなパン)。Aさんはいつもの調子で気軽に“Come and join us.”と言ってくれ、遠慮なく呼ばれることにする。
夜は明日の朝食用のパンを買いに行き、戻ってからはサロンでAさんとコイン・コレクションの交換をしたり、雑談したりして過ごした。
明日はクラック・デ・シュバリエだ。
1998年12月のある日