ぱらりーそーしー日記

タイトルに特に意味はありません。子どもの造語がかわいかったので、タイトルに使いました。本、子育て、映画、旅行等。たまにしか投稿しませんが…

2023年11月に読んでよかった本

ようやくゴールが見えて来ました。これを載せたら、あとは12月を載せるのみ。年間の振り返りもしたいところではありますが。
日頃から読書ノートをつけておくといいかもしれないなと思いました。なかなかできませんけどね…

 

カルロス・ルイス・サフォンによる「忘れられた本の墓場」シリーズの完結編です。
第3作の「天国の囚人」を読み終わった後、この第4作があることを知り、早く翻訳・出版されることを望みながら時折チェックしていたもののいつしかそれも忘れ、今年になってようやくこの第4作が出ていたことを知ったような次第。お恥ずかしい。
この作品はミステリーでもありますし、古書店を営む父を持つ少年ダニエル・センペーレや「忘れられた本の墓場」を軸にした大河ドラマでもあります。

本を巡る物語、魅力的な登場人物(フェルミンとか)、忘れられた本の墓場のようなファンタジー的なところ、スペインの暗い時代…と魅力に事欠かないとても好きなシリーズです。
が、サフォンは2020年に55歳で亡くなったので、もう作品は読めません。

集英社は特設ページも作っています。

bunko.shueisha.co.jp

 

最初のシリーズ「ドラゴンランス戦記」を読んだのは、高校生くらいだったような。富士見書房から出ていた文庫本で、表紙の肩にホログラムのドラゴンの紋章があり、これがかっこよかったです。

いや、それより前にドラゴンランスとの出会いはありました。たぶん「ウェイレスの大魔術師」がほんとの最初です。まだドラゴンランスのことを知らないうちにこのゲームブックをやってみて、「何だかよくわからない話だし、そんな終わり方するの?だし…」とちょっと不満を覚えた記憶があります。その次はドラゴンランス・カードゲームだったような。これはおもしろかった。

というように、ドラゴンランスを知らないうちにあれこれやって、最後にドラゴンランス戦記をようやく読んで、プレイしていたゲームの内容に合点がいったという感じです。

そんな長い付き合いなので、付き合いだからとさほど気乗りするわけでもなく読み始めたこの「夏の炎の竜」ですが、これがよかった。ファンや作者がドラゴンランスの世界に未練があり、半ば懐かしむために書かれたなんてものでは全然なくて、戦記に匹敵するような壮大な話でした。登場人物の中心は戦記の英雄たち(タニスとか)の子世代ですが、少し年老いたタニス達世代も出て来ますよ。

 

NHKドラマ「大奥」をまず見て、これがよかったので、それから原作を読み始めました。
マンガの「大奥」が話題になった頃は、徳川幕府の大奥で(一般社会でも)男と女が入れ替わる、つまり将軍は女で大奥に大勢いるのは男という設定に「なんだ、そりゃ」と思って読まなかったのですが、今、その不明を恥じています。

「えっ?」と思うSF的ともいえる設定には、ちゃんと訳があったのでした。男と女を入れ替えることで、現在の男女平等やジェンダーフリーといった問題が鮮やかに浮かび上がって来ます。
といっても堅苦しい内容ではなく、物語としてもおもしろく、またエモーショナルだったりもします。

「あんた、今頃、何言ってるの?『大奥』がいいことくらい、とっくに知ってるわ」という話かと思いますが、まだの方はぜひご一読ください。