イスタンブルの旧市街にある中華料理屋(今もあるかはわかりません)は、どの料理もおいしかったのですが、中でもここで初めて出会った「トマトと卵の炒めもの」が抜群でした。
そんな料理は初めてでしたから、最初は「トマトの炒めものって、なんやそれ」と思いながら興味本位で頼んだのですが、これがとてもおいしい! すっかり病みつきになりました。
ところが、帰国して日本の中華料理屋に行ってみても、この料理がメニューにありません。まったくもって不思議です。あんなにおいしいのに。
店の人に聞いてみたこともありますが、「ない」と言われるばかり。
すっかりガッカリしていたのですが、店では未だにこの料理に出会わないものの、ある本の存在を知りました。
その本は、ウー・ウェンという人が書いた「単純がうれしい北京のおかず」という本。この本に、この料理「鶏蛋西紅柿(ジー・ダン・シー・ホン・シー)=トマト卵炒め」のレシピが載っていました!
この本によると、この料理は「北京でいちばんポピュラーな卵料理」だそうです。
家庭料理で、しかも(広東とか四川ではなく)北京の家庭料理だから、どこの中華料理屋にもあるわけではないのでしょうか。
自分の料理ですから、イスタンブルのあの店の味には及びませんが、それでもかなり満足しています。