このシリーズの作品を初めて読んだ時は「こんなSFもあったのか!」と驚き、すっかりはまってしまいました。
それまで読んだり観たりしたSFと何が違うかと言うと、宇宙空間での戦闘シーンが地味! しかし、それがいい! ビーム砲を撃ちまくる宇宙戦艦も出て来ないし、モビルスーツも飛び回らない。 じゃあ、どんな戦闘シーンなのかと言うと、だいたいこんな感じ。
戦闘艦(「航宙艦」という言葉がまたかっこいい)は、噴射ノズルの熱を観測する等して相手の艦の将来位置(軌道)を予測する。
そして、その軌道上に爆雷を射出する。
爆雷は爆発して大量の金属片を敵艦の軌道上にばらまく。
敵艦は自艦の速度と金属片の速度が合わさった速度で金属片の雲の中に突っ込み、ズタズタになる。
もちろん敵艦は敵艦で、乱数加速したりいろいろ回避策を取るわけです。 観測と予測計算と攻撃の繰り返し。 作者は工学部出身で、たしか作家になる前は技術者だったかな。 そんなこともあるんでしょうが、航宙艦の戦闘がとてもリアルで、新鮮でした。
でも、リアルなだけでなくて、出て来る人たちもいいんですよ。工学的なドライなSFというわけではありません。
SFマガジンには、毎号ではないようだけど、新・航空宇宙軍シリーズが載っているようです。 ここまで紹介してきた作品のリンクは、いずれも中古の紹介につながっています。もう紙の本は絶版になっているんでしょうね。 Kindle版も出ているようでそれはそれでありがたいんですが、紙の旧版の絵が好きだったのになあ…
このシリーズの作品は他にも数作品ありますよ。