ホテル・アヤソフィアをチェック・アウトする。
ホテルの兄ちゃんは一昨日、カッパドキアへのツアーを勧めて来たが、今日「黒海の方へ行く」と言うと、あっさり引き下がってくれた。ホッとする。またこのホテルを使うかもしれないのに、兄ちゃんがFばりにしつこくっては困るので。
Dさん、Oさん、私と3人でトラム、メトロを乗り継いで、オトガルへ向かう。オトガルはバス・ターミナルなのだが、日本のものとは全く違う。150を超えるバス会社がオフィスを構える、ちょっとした「空港」である。Tourist Informationで聞いた2社と大手Ulusoyを見て、結局Ulusoyにした。
Dさんはテヘランへ、Oさんはパムッカレへ向かう。これからまた一人だ。
トルコはバス網も発達しているし、バス自体もとても立派だ。そしてスチュワードが2人乗っている。彼らは定期的に客に水やチャイ、お菓子を出したり、客に降りる場所を教えたりする。いいサービスを受けてると思うが、同時に好きな時に茶やコーヒーを自分で入れに行く日本の高速バスの方がいいかなと思ったりもする。
イスタンブルを出てしばらくは荒れた土地が続く。木はまず生えてなく、安普請そうなアパートが続く。時折、牛がいたりもする。
さらに行くと、ポプラのような樹形の木が広がっている。葉が落ちきったものもあれば、黄色い葉をつけたものもある。そこへ夕日があたり、ちょっとかすみがかかったようで、とても美しい。一度、そんな並木に囲まれた小さく静かなモスクが見えた。絵のようだ。
やがて陽はすっかり落ち、17:00頃だというのに真っ暗だ。イスタンブルから5時間くらいかかっただろうか。バスはどんどんさびれて両側に灯一つないような場所を進んで行く。だんだん不安になってくる。こんな暗い中、サフランボルがえらくさびれた街だったら、宿を見つけられるだろうか。もしかしたら野宿かも。
幸い、すぐホテルは見つかった。探していたのと違うホテルに出くわしただけなのだが。今日の宿はKONAK HOTEL。一番安い部屋をと言ったら、物置部屋のような縦5m、幅1.5mくらいの部屋を与えられた。それでも250万TLである。高い。ただ、その分内装はいい。板敷きの床にキルトか何かそんな感じの織物が敷かれ、靴を脱いで上がる。シャワールームもきれいで、お湯も出る(この時期湯がでないと本当にきつい)。おじさんもいい人そうだ。
食事に出る。ロカンタも、やはりイスタンブルに比べると品数は少ない。ある小ぎれいなロカンタをちょっとのぞくと、ひげ面のオヤジが「ブユルン、ブユルン」と誘ってくる。他にもあたってみようと角を曲がった時に考えを変えた。そういえば、かわいい子がいた。現金なもんだ。
トルコの女性はきれいだ。ヨーロッパにアジアの血が少し混ざったのか、鼻はすっとして高く、目はくっきり、エキゾチックな美人だ。料理もイスタンブルより安い。宿さえ安ければ、もう少しいたい場所となりそうだ。
1998年11月のある日