ぱらりーそーしー日記

タイトルに特に意味はありません。子どもの造語がかわいかったので、タイトルに使いました。本、子育て、映画、旅行等。たまにしか投稿しませんが…

アンタルヤで 地中海

朝、普段よりは少しゆっくりとし、それからいよいよ「市内観光」に出発した。バス会社巡りも兼ねて。
バスの方はウルダーゥとウルソイ、300万TLと470万TLで、ウルダーゥにするつもりだ。アンカラまで8時間の旅だ。ずっとトルコを旅してると、バスで6時間程度の移動はあたりまえ。8時間でちょっと遠いという感覚になる。

それからメルメルリ公園を海沿いにビーチの方へ向かう。崖の上を這う細い道を行く。天気はよく、海はきれいで、12月だけど「地中海」のイメージに近い色をみせてくれる。鮮やかな青、水はきれいで崖の上から泳いでいる魚がみえる。暑いぐらいの陽射しの中を小1時間歩くとビーチへ着く。砂浜ではなく小石の浜だが、あいかわらず海は透明度が高く、多くの人が釣りをし、何人か泳いでいる人もいる。海へ向かって右手には対照的に雪をいただいた高い山が連なっている。しばらく座り込んで海や山や人を眺めた後、ひき返した。日曜日の公園だけあって家族連れやカップルが多い。

お金を降ろした後、ウルダーゥのオフィスへ行くと、23:30のバスはなくて、12:00だという。夜着くのはイヤだけど、アンカラは1度行ったこともあるし、夜まで時間を潰すのもきついので、これで行くことにする。アンカラで1泊することになるけど。

時計塔前のレストランでドネルサンドの昼食を済ませた後、一度ホテルへ戻って荷物を降ろし、休んだ。肩がいかれそうだ。それからちょっとお菓子でも買おうと、映画館の前にある親切親父のいるBÜFEへ向かったのだけど、途中で日本人の兄ちゃんに声をかけられた。アンタルヤのカレイチの中に「美布里のギャラリー」というキリムを置いているギャラリー(店)がある。ここの主人はトルコ人とその奥さんの日本人で、兄ちゃんはここでキリムの修復の勉強をしているそうだ。また、ここにはトルコ語の学校に通っている日本人や旅行者もよく出入りしているようだ。昨日からこの店の存在は知っていたけど、寄るかどうか迷っていたのだ。イスタンブルの某所にいたような崩れた日本人がいたらイヤだからだ。

兄ちゃんはアンタルヤの地図をくれ、しばらく話した。もう2年ほどここにいて勉強させてもらっているらしい。友達に会いにここに来て、はまってしまったそうだ。またここには親の仕事の都合で来ているという女性もいて、日本人社会の狭さによる苦労などについて語ってくれた。また男性も一人いて、彼はR大学を休学して来ているそうだ。いろいろなところで、いろいろな人生を送っている人がいる。

彼らと一度別れ、ブラブラとカラアリオール公園へ向かった。湾をはさんでちょうど反対側から山々を眺めることができる。太陽は山々の間に沈むのだ。場所的には言うことなしなのだけど、何せ人が多い。公園の中では子ども達の歓声、海沿いでは木に風船を結んで射的をやったりしている。いい場所はすでにカップルにおさえられている。ここはあきらめて港へ下り、突堤の上から日が沈むのを眺めることにした。山の上に雲があり、最高の夕焼けというわけにはいかなかったけど、刷毛ではいたような雲海が刻々と色を変えていく様はとてもきれいだった。

 

1998年12月のある日