ぱらりーそーしー日記

タイトルに特に意味はありません。子どもの造語がかわいかったので、タイトルに使いました。本、子育て、映画、旅行等。たまにしか投稿しませんが…

2023年3月に読んでよかった本

そして、2023年3月に読んでよかった本をご紹介します。
ようやくここまで来たと思ったら、もう4月も終わりが近い。もうすぐ1年の1/3が終わるんですから、イヤになりますね。人間が作った区切りですから、まだ年度が始まって1か月経っただけだと思い込むこともできそうですが。

 

 「たまむすび」(番組が終わって本当に残念!)でブルボン小林さんが紹介していらしたのをきっかけに読み始めました。

石川県出身の主人公が東京の高校に進学することになり、初登校の日に電車で通学しようとするもうまく行かず、そうしたところへイケメンの同級生に助けられ…と始まる高校生活。
というように筋を簡単に書くと、ありがちな高校ラブコメみたいな感じがしてしまいますが、まだ1巻しか読んでいないものの、そういうのとはちょっと違う感じがします。

自分の高校生の頃を思い出して、「アホだったけど(今でもアホだけど)みんなそれぞれ、それなりにがんばって生きてたんだなあ」と思わせられる、好感の持てる作品です。

 

ある時、突然、人が何かに呼び集められるかのように歩き出すという現象がアメリカ全土で起こります。
夢遊病のように歩き出した人は、話しかけても反応はなく、ちょっとやそっとのことでは怪我もせず、無理に止めようとすると恐ろしいことになります。時を同じくして、恐ろしい伝染病が大流行し、政府も形を成さず、人類の絶滅も時間の問題となって来ました。
夢遊病のような人たちは、またそういった人たちを守りつつ、AIの助けを借りてパンデミックを止めようとする人たちは、そして人類はどうなるのでしょうか。たまたま同時に起こっただけと思われた謎の行動を示す人たちと伝染病には実は関係がありました。

パンデミックの最中にパンデミックものを読むというのも、なかなかのものですね。「あー、こういう連中いるよなあ」とか思ったり。

パンデミックものですから明るい話ではないですが、まるで映画を見ているように、「謎」(ちょっと厨二病っぽい?)も気になって、ページをめくる手が止まりません。

映画的といえば、自分が監督ならどう撮るか、どうキャスティングするか考えながら読んでいました。それくらい映画っぽいということだと思います。とりあえずピート・コーリーは「ストレンジャー・シングス」でエディをやっていた人に決まりです。

 

地球が居住に適さない環境になり、人類は宇宙への播種計画を進めます。
ある惑星では、猿をある特殊なウイルスに感染させることで知性化を促進し、新たな知的生命体を生むという実験が行われようとしていました。しかし、ある事件からウイルスだけが惑星に撒かれ、元々惑星にいた蜘蛛が知性化して行くことになります。

コールド・スリープを繰り返しながら種の存続を図って宇宙を彷徨っていた人類と、蜘蛛は再び会うのですが…

蜘蛛が蜘蛛のまま知性化して行く過程、蜘蛛ならではの技術の発展や社会の描写、種の存続のためにあがく人類、知性化した蜘蛛と人間との出会いなどが、めちゃくちゃおもしろいです。
蜘蛛と人類の出会いの顛末には「うーむ、うまい」と唸らされました。

おかげですっかり寝不足になってしまいました。

「疫神記」も「時の子供たち」も、この投稿を書いていて気づきましたが、竹書房から出ていますね。SFといえば早川書房創元推理文庫が思い浮かびますが、竹書房も要チェックのようです。