ぱらりーそーしー日記

タイトルに特に意味はありません。子どもの造語がかわいかったので、タイトルに使いました。本、子育て、映画、旅行等。たまにしか投稿しませんが…

未必のマクベス

長距離移動のお伴に持って出たのだけど、移動中にも、そしてホテルに戻ってからも、読み耽った。おかげで、すっかり寝不足に。

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

 

 

話の内容からも、移動時に読むのにぴったりだったかもしれない。早川書房のサイトから引用したあらすじは、次のとおり。

IT系企業Jプロトコルの中井優一は、東南アジアを中心に交通系ICカードの販売に携わっていた。同僚の伴浩輔とともにバンコクでの商談を成功させた優一は、帰国の途上、澳門マカオ)の娼婦から予言めいた言葉を告げられる――「あなたは、王として旅を続けなくてはならない」。やがて香港の子会社の代表取締役として出向を命じられた優一だったが、そこには底知れぬ陥穽が待ち受けていた。異色の犯罪小説にして、痛切なる恋愛小説

主人公とその友人(と言っていいのか…)は、時にチャンドラーの「長いお別れ」を思わせる。「長いお別れ」ではギムレット、「未必のマクベス」ではダイエットコークでつくるキューバ・リバー(クーバ・リブレ)。 上記に「恋愛小説」とある。若かりし頃に成就し得たはずなのに、ほんのちょっとしたタイミングのずれ等で成り立たなかった恋愛を、ほろ苦く、若かりし頃への憧憬も交えて、思い出すかもしれない。

 

「犯罪小説」部分については、暗号を巡るあれこれが起こる。暗号については、これを読まれると、この作品をより楽しめるかなとも思う。 暗号を作る者、それを解読しようとする者の戦い、とてもおもしろいですよ。(ちなみに、「未必のマクベス」はフィクションですが、この「暗号」はノンフィクションです。)

 

暗号解読(上)(新潮文庫)

暗号解読(上)(新潮文庫)

 

 

暗号解読(下)(新潮文庫)

暗号解読(下)(新潮文庫)

 

 

作者の早瀬耕氏はまめな方なのか、この本の読了をTwitterに書いた時、丁寧にお礼の返信をくれた。また、その後、多少のやり取りをしてくれた。 もしかしたら面倒に思われていたかもしれないけど、一般人の私は、作家の方とやり取りできて、すっかり嬉しくなってしまった。で、またこの人の作品を読もうと思ったのだった。まだ読んでないけど。(ごめんなさい)