2014年に読んだ本の中で印象に残ったものをご紹介します。「2014年に出版された本」ではなく、自分が2014年に読んだ本、です。つまり、出版年はバラバラです。 振り返ってみると、あんまり読んでない… ということもあって、「ベスト○」とするのはやめました。
まずはエンターテインメント系(?)から。
SFマガジン700(海外編)
55年にわたって最前線でありつづけたSF専門誌の集大成的アンソロジー 創刊時掲載の巨匠から現代SFの最先端まで、オール短篇集初収録作12篇で構成する傑作選 (ハヤカワ・オンライン)
- 作者:アーサー・C・クラーク,ロバート・シェクリイ,ジョージ・R・R・マーティン,ラリイ・ニーヴン,ブルース・スターリング,ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア,イアン・マクドナルド,グレッグ・イーガン,アーシュラ・K・ル・グィン,コニー・ウィリス,パオロ・バチガルピ,テッド・チャン
- 発売日: 2014/05/23
- メディア: 文庫
SFマガジン700(国内編)
55年にわたって最前線でありつづけたSF専門誌の集大成的アンソロジー 日本SF界の礎にして最先端であり続けた専門誌の創刊七〇〇号を記念したアンソロジー【国内篇】。一九五九年の創刊から現在までの掲載作から、手塚治虫、松本零士、吾妻ひでおのコミック三篇、伊藤典夫のエッセイ、貴志祐介、神林長平、野尻抱介、秋山瑞人、桜坂洋、円城塔の書籍未収録作ほかの小説計九篇を収録。 ハヤカワ・オンラインより
SF好きでありながら短編はあまり読んで来なかった(それを言えば長編だってまだまだ読んでない著名な作品がたくさんあるけど)。 この2冊は、短編も楽しいなあと思わせてくれた作品集。どちらかと言うと、海外編の方がより楽しかった。
戦慄のテロ計画が発覚! 正体不明の敵を探し出すべく、大統領は闇の世界に生きた伝説の諜報員を起用する。わずかな手掛かりを追う彼もまた、名前を消して生きる男だった。(ハヤカワ・オンライン)
作者は映画の脚本を書いていたらしく、そう言われればハリウッド映画的な感じもする(ただの先入観かもしれないが)。全3巻を一気読みしてしまい、寝不足になってしまった。 主人公がこのジャンルの小説にしては独特かもしれない。極めて有能だけど、自分の内的領域を大事にしているというのか。「寒い国から帰って来たスパイ」の主人公が、車に乗った子ども達を回想するシーンを連想した。 「欧米=善、イスラム圏=悪」というような捉え方をしていないのもよい。
その女アレックス
あなたの予想を全て裏切る究極のサスペンス! 監禁され、死を目前にした女アレックス――彼女の心に秘められた壮絶な計画とは? 英米ミステリ界を戦慄させた驚愕と慟哭の傑作!(文藝春秋BOOKS)
「驚きの展開」という映画なんかの売り文句があるけど、この小説もそんな感じ。 捜査にあたる班の刑事たちがいい。リーダーの刑事もいいし、特に…この先はネタバレになるからやめておこう。 続いては、ノンフィクション。
暗号解読
文字を入れ換える。表を使う。古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。密書を解読され処刑された女王。莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話……。カエサル暗号から未来の量子暗号に到る暗号の進化史を、『フェルマーの最終定理』の著者が豊富なエピソードとともに描き出す。知的興奮に満ちた、天才たちのドラマ!(新潮社)
読ませまいとする側と読もうとする側の知恵比べ。やっていることがやっていることだけに歴史の表には出られなかった人達だが、その頭のよさに恐れ入る。 暗号やその解読の説明もとてもわかりやすく、名もなき天才達の知的な戦いを楽しむことができる。 最後に、これはどういうジャンルになるのかな?
知的複眼思考法
常識にとらわれた単眼思考を行っていては、いつまでたっても「自分の頭で考える」ことはできない。自分自身の視点からものごとを多角的に捉えて考え抜く―それが知的複眼思考法だ。情報を正確に読みとる力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理をきちんと組み立てられる力。こうした基本的な考える力を基礎にしてこそ、自分の頭で考えていくことができる。全国3万人の大学生が選んだ日本のベストティーチャーによる思考法の真髄。(「BOOK」データベース Amazon)
ビジネス書は数多出ているけど、中には粗製乱造的なものもあるでしょう、たぶん。 あれこれ読み散らかすよりは、こういう考え方の基本を書いたものをじっくり読んで、書かれていることを身につけた方がいいんじゃないかな。